「髪が薄くなってきたから病院に行こう」と思い立ったとき、最初に迷うのが「近所の一般皮膚科」に行くべきか、それとも「薄毛治療専門のクリニック(AGA・FAGAクリニック)」に行くべきかという点ではないでしょうか。どちらも医師が診察することに変わりはありませんが、その目的、治療内容、そして費用には決定的な違いがあります。自分の悩みの深さや目指すゴールに合わせて適切な場所を選ばなければ、時間とお金を無駄にしてしまう可能性もあります。ここでは、両者の違いを明確にし、女性が薄毛治療を受ける際の選び方の指針を示します。まず、一般の皮膚科についてです。ここは基本的に「病気」を治す場所です。円形脱毛症や脂漏性皮膚炎、頭皮湿疹といった明確な疾患が原因で抜け毛が起きている場合、保険診療の範囲内で治療を受けることができます。治療費は三割負担で済み、経済的な負担は軽くなります。しかし、加齢やホルモンバランスの乱れによる一般的な薄毛(びまん性脱毛症など)は「病気」ではなく「加齢現象」や「美容的な悩み」と見なされるため、保険が適用されません。一般皮膚科でも自由診療として育毛剤の処方を行っているところはありますが、あくまでオプション的な扱いであり、詳細な検査や高度な治療メニューは用意されていないことが多いのが現状です。「とりあえず頭皮に異常がないか診てほしい」「費用を抑えたい」という場合は、まず一般皮膚科を受診するのが良いでしょう。一方、薄毛専門クリニック(美容皮膚科を含む)は、「髪を生やすこと」「見た目を美しくすること」に特化した場所です。ここでは保険診療はほとんど行われず、基本的に全額自己負担の自由診療となります。その分、提供されるサービスの質と量は一般皮膚科とは比較になりません。マイクロスコープによる精密な頭皮診断はもちろん、血液検査でホルモン値や栄養状態を詳細に分析し、その人の体質や薄毛のタイプに合わせたオーダーメイドの治療計画が提案されます。治療内容も多岐にわたります。内服薬(パントガールやスピロノラクトンなど)や高濃度のミノキシジル外用薬の処方に加え、頭皮に直接成長因子を注入するメソセラピー、サプリメント指導、生活習慣の改善アドバイスなど、トータルでのケアが受けられます。医師だけでなく専門のカウンセラーが在籍していることも多く、精神的なサポートやプライバシーへの配慮も行き届いています。待合室が男女別になっていたり、完全予約制で他の患者と顔を合わせないようになっていたりと、女性が通いやすい環境作りがなされているのも特徴です。ただし、専門クリニックのデメリットはやはり費用面です。月額数千円から、治療内容によっては数万円、コース契約で数十万円かかることも珍しくありません。しかし、「確実に結果を出したい」「医学的根拠に基づいた最先端の治療を受けたい」という強い意志があるなら、専門クリニックを選ぶ価値は十分にあります。
一般皮膚科と薄毛専門クリニックの決定的な違いとは