高い育毛剤やワックスを買う前に、まず見直すべきは毎日のドライヤーの使い方です。実は、美容室で仕上げてもらった時のあのふんわり感と、翌朝自分でセットした時のペタンコ感の違いは、ドライヤーでの「乾かし方」にあります。髪の根元の立ち上がりを作るのは、ワックスではなくドライヤーの熱と風です。この基本をマスターするだけで、薄毛の印象は3割減、いや5割減も夢ではありません。プロの美容師が実践している、ボリュームアップのためのドライヤーテクニックを伝授します。多くの男性は、お風呂上がりにタオルで適当に拭いた後、ドライヤーを上から下に向けて漫然と当てて乾かしてしまいがちです。しかし、これは薄毛カバーにおいては最悪の乾かし方です。上からの風は髪を頭皮に押し付け、根元を寝かせてしまいます。一度寝てしまった根元は、後からどんなにワックスをつけても起き上がりません。正解は「下から上へ」、そして「後ろから前へ」です。頭を下げて、襟足の方からつむじに向かって、髪の根元に逆らうように風を送り込むのです。こうすることで、根元が強制的に立ち上がり、空気を含んだような土台が出来上がります。特に重要なのが「つむじ周り」と「分け目」の処理です。つむじは毛流が強いため、自然乾燥させるとパックリと割れて地肌が丸見えになってしまいます。髪が濡れているうちに、つむじを中心に放射状に髪を散らすように、指の腹で頭皮を擦りながら乾かします(スクラッチドライと言います)。分け目が目立つ場合は、いつもの分け目と逆の方向から風を当てて乾かすことで、根元がクロスし、地肌を隠すことができます。そして仕上げの「冷風」がプロの技です。髪は熱が加わると柔らかくなり、冷めるとその形で固定されるという性質を持っています。温風で根元を立ち上げ、理想のボリュームを作ったら、すかさず冷風に切り替えてその形をロックします。このひと手間を加えるだけで、朝作ったボリュームが夕方まで持続するようになります。髪を乾かすことは、単に水分を飛ばす作業ではなく、ヘアスタイルの設計図を描く作業なのです。また、ドライヤーの前に「ボリュームアップミスト」などのスタイリング剤を根元に吹きかけておくと、さらに効果的です。熱に反応してハリやコシが出る成分が含まれており、猫っ毛や軟毛の人でもしっかりとした立ち上がりを作ることができます。今日からドライヤーをただの乾燥機ではなく、最強のスタイリングツールとして使いこなしてください。根元が1センチ立ち上がるだけで、あなたの見た目年齢は5歳若返ります。