AGAクリニックのカウンセリングで、内服薬と一緒に勧められることが多い「メソセラピー(注入治療)」。頭皮に直接、成長因子やミノキシジルなどの有効成分を注射などで注入する治療法ですが、ネックになるのがその費用です。1回あたり数万円から高いものでは十数万円もし、それを数回から数十回繰り返すとなると、総額はかなりのものになります。「本当にそれだけの価値があるのか?」「薬だけじゃダメなのか?」と迷うのは当然です。メソセラピーの費用対効果をシビアにジャッジし、どのような人が受けるべき治療なのかを解説します。メソセラピーの最大のメリットは「即効性」です。内服薬が血液に乗って全身を巡り、頭皮に到達するのを待つのに対し、メソセラピーは患部にダイレクトに高濃度の成分を届けます。そのため、発毛スイッチが入るのが早く、治療開始から短期間(3ヶ月〜半年)で目に見える変化を実感しやすいのが特徴です。結婚式までに生やしたい、夏までに間に合わせたいなど、期限が決まっている場合や、とにかく早く結果を出して安心したいという人にとっては、投資する価値のある治療と言えます。しかし、長期的視点で見ると、最終的な到達点(生える量)は、内服薬のみを続けた場合と大きく変わらないというデータもあります。つまり、メソセラピーは「ブースター(加速装置)」の役割であり、時間を買うためのオプションであるという解釈もできます。もし予算に限りがあり、結果が出るまでじっくり待てるのであれば、無理にメソセラピーを受ける必要はありません。内服薬をコツコツ続けることが、最もコストパフォーマンスの良い治療法であることに変わりはないのです。また、クリニックによって注入する成分(カクテル)や注入方法(注射器、レーザー、高圧ジェットなど)が異なり、効果にもバラつきがあります。中には科学的根拠の乏しいオリジナル成分を高額で提供しているケースもあるため注意が必要です。「成長因子」と一口に言っても、その質や濃度はピンキリです。契約する前に、具体的にどんな成分を、どのくらいの量、どのような方法で注入するのかを詳しく聞き、納得できなければ断る勇気も必要です。結論として、メソセラピーの費用対効果が高い人は、「資金に余裕があり、短期間での発毛を強く望む人」、または「内服薬だけでは効果が頭打ちになってしまった人」です。内服薬でベースを作り、それでも埋まらないM字部分や頭頂部にピンポイントで注入を行うという使い方は合理的です。逆に、治療を始めたばかりで予算も厳しい人が、無理をしてローンを組んでまで受ける治療ではありません。AGA治療の主役はあくまで内服薬、メソセラピーは強力な助っ人。その立ち位置を理解し、自分の懐事情と相談しながら、賢く使い分けるのが正解です。