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私がブリーチで髪を失いかけて学んだたった一つのこと
大学二年生の夏、私は生まれて初めて全頭ブリーチをした。憧れていた銀髪を手に入れた時の高揚感は、今でも忘れられない。鏡に映る自分はまるで別人のようで、世界が輝いて見えた。そこから私のブリーチ生活が始まった。銀髪に飽きるとピンクに、そして青にと、まるでキャンバスに絵を描くように髪色を変えて楽しんでいた。美容室に行くお金を節約するため、途中からは市販のブリーチ剤を使い、友人と一緒に自宅で染め合うことも増えていった。しかし、その代償は静かに、そして確実に私の髪を蝕んでいた。最初は指通りの悪さ、そしてパサつき。トリートメントをすれば何とかなるだろうと高を括っていた。だが、ある朝、枕にびっしりと付着した短い髪の毛を見た時、初めて血の気が引くのを感じた。それは抜け毛ではなかった。ブリーチを繰り返したことで脆くなった髪が、寝返りの摩擦でちぎれてしまった「切れ毛」だった。シャンプーをするたびに、指に絡みつく髪はゴムのように伸び、ぶちぶちと切れていく。ドライヤーの後には、洗面台が黒い短い毛でいっぱいになった。頭頂部は明らかに薄くなり、分け目からは地肌がくっきりと見えていた。友人から「なんか、てっぺんはげてる?」と冗談めかして言われた一言が、私の心を深くえぐった。鏡を見るのが怖くなり、帽子なしでは外を歩けなくなった。あれほど楽しかったヘアカラーが、憎しみの対象に変わっていた。結局、私は泣く泣くボロボロになった部分を全て切り落とし、ベリーショートにすることを決意した。そして、その経験から学んだたった一つのこと。それは「髪は有限である」という当たり前の事実だ。おしゃれは、健康な髪と頭皮という土台があって初めて成り立つ。目先の変化や刺激だけを追い求め、髪からの悲鳴に耳を傾けなかったことへの代償は、あまりにも大きかった。今はただ、新しく生えてくる髪を大切に育てることだけを考えている。