40代になると、薄毛、いわゆる「はげ」は、多くの男性にとって他人事ではなく、自分自身の問題としてよりリアルにのしかかってきます。AGA(男性型脱毛症)の有病率が30%を超えるこの年齢では、同窓会に行けば、髪の状態は人それぞれ。明らかに薄毛が進行している友人もいれば、まだフサフサな友人もいる。その中で、自分の立ち位置を意識せざるを得なくなります。この年代のはげとの向き合い方は、大きく二つに分かれる傾向があります。それは、「諦めて受け入れる」か、「本格的に治療に踏み切る」かです。前者の「諦めて受け入れる」という選択も、決してネガティブなものではありません。ある程度の薄毛は年齢相応の自然な変化と捉え、過度に気に病むことをやめる。そして、髪型を工夫することで、薄毛を魅力的な個性へと昇華させるのです。例えば、潔くベリーショートやスキンヘッドにすることで、清潔感や精悍な印象を与えることができます。中途半半端に隠そうとするよりも、堂々としている方がかえって格好良く見えることも多いものです。これは、薄毛というコンプレックスから解放され、新たな自分らしさを見つけるという、非常にポジティブな生き方と言えるでしょう。一方で、後者の「本格的に治療に踏み切る」という選択も、人生の質を高めるための前向きな決断です。40代は、経済的にもある程度の余裕が生まれ、AGA治療薬であるフィナステリドやミノキシジルを用いた本格的な治療を始めやすい時期でもあります。また、自毛植毛といった、より根本的な解決策を選択肢に入れる人も増えてきます。「まだ若々しく見られたい」「仕事上、見た目の印象が重要だ」といった理由から、諦めずに治療に挑戦することは、自信を取り戻し、社会生活をより豊かにするために非常に有効です。40代は、これまでの人生を振り返り、これからの生き方を考える時期。はげという問題も、自分がどうありたいかという価値観と向き合い、自分なりの答えを見つける良い機会なのかもしれません。