私は長年、仕事のストレスや将来への不安から、深夜遅くまでスマートフォンを手放せない生活を送っていました。布団に入ってからもSNSを巡回し、動画サイトを次々と再生し、気づけば午前二時、三時になることは日常茶飯事。慢性的な睡眠不足で体は常に重く、昼間はカフェインで無理やり脳を覚醒させるという悪循環に陥っていました。そんな生活を続けていたある日、鏡を見て愕然としました。髪のボリュームがなくなり、全体的にペタンとして、地肌が透けて見えるような気がしたのです。抜け毛も明らかに増えていました。まだ三十代前半なのに、このままではまずいと本能的に感じました。調べてみると、睡眠不足は髪にとって最悪のダメージを与えることがわかりました。髪の成長ホルモンは寝ている間に分泌されること、そしてスマホのブルーライトが睡眠の質を下げ、自律神経を乱して血行不良を招くこと。すべての情報が私の生活習慣の悪さを指摘しているようでした。そこで私は一念発起し、「深夜のスマホ断ち」を決行することにしました。ルールは簡単で、夜の十一時にはスマホをリビングに置き、寝室には持ち込まないというものです。最初は禁断症状のようにスマホが気になりましたが、代わりに本を読んだり、ストレッチをしたりして気を紛らわせました。変化は意外に早く訪れました。まず、朝の目覚めが劇的に良くなりました。以前のような泥のような疲労感がなく、スッキリと起きられるのです。そして、始めてから一ヶ月が経つ頃には、肌の調子が良くなり、目の下のクマも薄くなってきました。肝心の髪については、三ヶ月ほど経った頃から変化を感じ始めました。シャンプー時の抜け毛が減り、ドライヤーで乾かした後の髪の立ち上がりが良くなったのです。指を通した時の感触が、以前の頼りない細い髪から、しっかりとした弾力のある髪へと変わっていくのを実感しました。美容師さんにも「最近、髪の調子がいいですね。何か変えましたか?」と聞かれ、心の中でガッツポーズをしました。この体験から学んだのは、どんなに高価な育毛剤を使うよりも、まずは自分の体の回復力を信じて、そのための環境を整えてあげることが重要だということです。髪は体の一部であり、体が健康でなければ髪も育ちません。深夜のスマホという悪習慣を断つだけで、これほどまでに体に、そして髪に良い影響があるとは思いもしませんでした。もちろん、これだけで薄毛が完治するわけではないかもしれませんが、土台となる体がボロボロでは、どんな対策も効果を発揮しないでしょう。もし、夜更かしが習慣になっていて薄毛に悩んでいる方がいれば、騙されたと思って一週間だけでもスマホを寝室に持ち込むのをやめてみてください。質の高い睡眠は、無料でできる最強のアンチエイジングであり、育毛対策です。失われた髪を取り戻すための第一歩は、夜の静寂を取り戻すことから始まるのかもしれません。私の髪のボリュームが戻ったように、あなたの髪もきっと、休息を求めているはずです。
深夜のスマホをやめたら髪のボリュームが変わった体験