「酒とタバコはやめられない」。その嗜好が、あなたの髪の毛を確実に死へと追いやっているとしたらどうでしょうか。薄毛予防において、生活習慣の改善は避けて通れませんが、中でも喫煙と過度な飲酒は、髪にとって「百害あって一利なし」の最悪のコンビネーションです。耳の痛い話かもしれませんが、なぜこれらが髪を破壊するのか、その科学的な根拠を知ることで、禁煙や節酒へのモチベーションに繋げていただきたいと思います。まずタバコですが、これは血管を収縮させる最強の毒です。タバコに含まれるニコチンは、吸った直後から血管を急激に収縮させます。ただでさえ細い頭皮の毛細血管が収縮すれば、血流は途絶え、毛根は酸欠と栄養失調状態に陥ります。さらに、タバコ一箱でレモン数個分のビタミンCが破壊されると言われていますが、ビタミンCはコラーゲンの生成や抗酸化作用に関わる重要な栄養素です。これを浪費することで頭皮の老化が加速します。また、タバコの煙に含まれる有害物質を解毒するために大量のアミノ酸が消費されますが、そのアミノ酸こそが髪の原料なのです。つまり喫煙は、髪への補給路を断ち、髪の材料を勝手に使い込むという二重の悪行を働いているのです。次にアルコールです。適量であれば血行促進効果もありますが、飲みすぎると肝臓に大きな負担をかけます。肝臓は髪の主成分であるタンパク質を作る工場でもありますが、アルコールの分解に追われると、タンパク質の合成能力が低下し、髪まで手が回らなくなります。さらに、アルコールが分解される過程で発生するアセトアルデヒドという毒性物質は、血液中の酸素を奪い、AGAの原因物質であるジヒドロテストステロンを増加させるという研究報告もあります。また、お酒のつまみには塩分や脂質の多いものが多く、これが頭皮環境を悪化させる一因にもなります。泥酔してそのまま寝てしまい、お風呂に入らず頭皮が不潔なまま朝を迎える、なんていうのは論外です。私はかつてヘビースモーカーで大酒飲みでしたが、抜け毛の増加に恐怖を感じ、一念発起してタバコをやめ、お酒は週末だけと決めました。最初の数週間は辛かったですが、半年もすると肌の調子が良くなり、髪にツヤとコシが戻ってくるのを実感しました。目覚めも良くなり、結果的に仕事のパフォーマンスも上がりました。髪を守るためと思って始めたことが、全身の健康に繋がったのです。タバコを吸いながら育毛剤を塗るのは、アクセルとブレーキを同時に踏んでいるようなもので、全く意味がありません。本気で髪を残したいと願うなら、その一本のタバコ、その一杯のお酒が、数千本の髪と引き換えになっていることをイメージしてください。減らす努力、やめる勇気が、将来のあなたの髪を救うのです。髪はあなたの健康のバロメーター。身体を痛めつける習慣を断ち切り、髪がスクスク育つクリーンな体内環境を取り戻しましょう。
タバコと酒が髪の毛を破壊する理由