帽子をかぶる薄毛男性にとって、最大の恐怖は「帽子を取る瞬間」にあります。長時間圧迫された髪は無残にも押し潰され、頭皮に張り付き、薄毛部分が露わになる「ペチャンコ髪」。これを見られたくないがために、頑なに帽子を脱げないという人も多いでしょう。しかし、急な冠婚葬祭や食事の席など、どうしても脱がなければならない場面は訪れます。そんな絶体絶命のピンチを救う、トイレでこっそりできる迅速かつ効果的なリカバリー術を伝授します。まず大前提として、帽子をかぶる前の仕込みが重要です。ワックスやスプレーでガチガチに固めてから帽子をかぶると、押し潰された形でロックされてしまい、修正が不可能になります。帽子をかぶる日は、整髪料はつけないか、あるいは再整髪可能なバームやヘアオイルをごく少量つける程度に留めておくのが鉄則です。髪がサラサラの状態であれば、根元を立ち上げ直すことが容易だからです。いざ帽子を脱いだ直後のリカバリー手順です。最も必要なのは「水分」です。ペチャンコになった髪の根元は、寝癖と同じ原理で水素結合が固定されてしまっています。これを解くには水しかありません。トイレの洗面台で手を濡らし、つむじや分け目、トップの潰れた部分の根元を中心に水分を揉み込みます。表面を濡らすのではなく、地肌を濡らすイメージです。もし可能であれば、100円ショップなどで売っている小さなスプレーボトルに水を入れて持ち歩くと、狙った場所にピンポイントで水分補給ができ、手も汚れずスマートです。根元が濡れたら、次は「空気」を入れます。ハンカチやペーパータオルで余分な水分を拭き取りながら、指の腹を使ってジグザグに頭皮を擦り、髪の根元を起こします。ドライヤーがあればベストですが、ない場合は手で仰いだり、エアータオルの風(衛生面に注意しつつ)を遠くから当てたりして乾かします。この時、いつもと逆の分け目から髪を流すようにすると、ボリュームが出やすくなります。ある程度乾いてふんわりしたら、仕上げにパウダータイプのスタイリング剤(ヘアパウダー)を使うのが裏技です。塩胡椒のようなボトルに入った粉状のワックスで、これを根元に振りかけて馴染ませると、髪同士が引っかかり合い、強力なボリュームが復活します。パウダーは軽く、油分がないため、時間が経ってもベタつかず、薄毛隠しには最強のアイテムです。ポケットに忍ばせておけば、いつでもどこでもフサフサ感をリセットできます。帽子を脱ぐことへの恐怖心は、リカバリー方法を知らないことから来る不安です。「潰れても直せばいい」という自信があれば、もっと気楽に帽子を楽しめるようになります。水と指、そして秘密兵器のパウダー。この三種の神器を携えて、帽子の中の蒸れだけでなく、心の重圧からも解放されましょう。
帽子を取った後のペチャンコ髪復活術